事業概要

事業の概略について

文部科学省では、平成27年度国家課題対応型研究開発推進事業のうち、「廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム委託費」における新規課題の公募(注1)を行いました。「国家課題対応型研究開発推進事業」とは、科学技術政策の遂行の観点から、国が直接実施する必要のある研究開発活動について、優れた提案を採択する競争的資金のことです。この中に「廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム」も位置づけられます。

これは、政府が策定した「東京電力株式会社福島第一原子力発電所 1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に位置づけられた「中長期の視点での人材育成及び大学・研究機関との連携」を進める観点から、廃止措置等の人材育成に関する重点分野の中でも、民間だけでは着手しづらい中長期的基礎基盤研究について、多様な分野の叡智を結集することや、課題を克服し、安全かつ着実に廃炉措置等を進めていく上で必要となる人材を育成することを目的としています。

この事業の趣旨

東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等については、政府及び東京電力(株)は、「東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下、「中長期ロードマップ」という。)に基づいて、各種の取組を進めてきております。
この事業は、政府が策定した中長期ロードマップに位置づけられた「中長期の視点での人材育成及び大学・研究機関との連携」を進める観点から、廃止措置等の人材育成に関する重点分野の中でも、民間だけでは着手しづらい中長期的基礎基盤研究について、多様な分野の叡智を結集することや、課題を克服し、安全かつ着実に廃炉措置等を進めていく上で必要となる人材を育成することを目的としています。

この事業の実施にあたっては、中核機関が拠点となって、参画する他の実施機関とともに、廃止措置等の現場のニーズを踏まえた基盤研究を行うとともに、廃止措置等の取組で活躍できる人材育成のための取組を実施していくことが求められています。また、その際、中核機関及び他の実施機関は、中長期ロードマップを踏まえて適時、適切な取組を実施するとともに、福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた研究開発を行っている機関等(国際廃炉研究開発機構(IRID)など)の活動状況を視野に入れながら、東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に係る取組との緊密な連携を図ることが求められています。

福島大学の提案は、
「マルチフェーズ型研究教育による分析技術者人材育成と廃炉措置を支援加速する難分析核種の即応的計測法の実用化に関する研究開発」というタイトルです。

東京電力福島第一原子力発電所(1F)では放射性ストロンチウムをはじめとする難分析核種が存在します。しかし,その分析に時間と手間がかかり,スピード感のある分析データが提供できていません。この分析の遅れによって、汚染水対策などの重要なミッションが遅れては元も子とありません。計測は素早く行うことが望ましいのですが、そのためには技術革新,つまり,新しい計測法の開発や研究段階の新技術の実用化が必要です。このように,1F廃炉措置では,難分析核種の“すぐに測れるる”分析技術の実用化もまた非常に重要な課題となっています。

その一方で,東京電力福島第一原子力発電所(1F)廃炉措置等にかかわる分析技術者ならびに廃炉支援者の養成もまた喫緊の課題です。難分析核種の分析需要は,これから益々高まるばかりです。しかし,その専門技量を有した専門家の確保が困難な状況です。

福島大学は,現場ニーズに直結した「分析人材育成と廃炉措置等支援者の養成」と「すぐに対応でできる即効的な分析技術の開発」を実施すべく,このプログラムを始めました。これは、国内外の英知を結集して,多機関による学生の技術指導の実施を行うとともに,多面的思考の養成と中長期的な持続性のある人材確保を目的として実施するものです。

廃止措置等の現場のニーズを踏まえた基盤研究や実用化研究を行うとともに、廃止措置等の取組で活躍できる人材育成を実施していくためには、廃止措置等に向けた研究開発を行っている機関等との連携の下、福島大学を拠点とした人材育成の取組みと研究開発の体制強化を図る必要があります。今回、福島大学は、様々な専門家集団を結集して基盤研究に関する研究開発チームを結成し,同時に,その専門家集団とともに学生を教育していきます。

同時に、「質量分析に基づく迅速で即応的な分析技術の実用化」と「放射化学分析プロセスの簡易化」に関する研究を実施します。これにより,廃炉支援業務(分析業務)に対して即効性のある技術を提供していきます。


注1:「廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム委託費」における新規課題の公募について
文部科学省は、平成26年8月20日付で7件の採択課題を公表しました。
その中で福島大学の提案は、フィージビリティ・スタディとして採択が決まりました。FSとは、プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討することで、いわゆる「実行可能性調査」のことです。
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